走る豚と牧場
熊本県菊池市の標高400メートルの牧場で育てている放牧豚です。
飼料
基本はやまあい村専用の非遺伝子組み換え飼料に西日本産の広葉樹の木の皮の炭を混ぜて与えます。
補助的に(全体の10パーセント程度)近隣の有機、もしくは自然栽培農家さんからいただいたさつまいも、サトイモを中心に人参、米糠等を与えています。そのほかに放牧場にある収穫し損なった野菜、どんぐり、雑草、葛の根、笹、栗、土に含まれるミネラル分を食べます。もっと地域の農家さんたちと連携してその割合を高めたいと思っています。
飲み水
阿蘇外輪山系の井戸水で、人と共通の飲み水です。鉄分を多く含みます。
放牧期間
通常の養豚では生後10日間ほどで離乳するのに対し、走る豚は30日ほど一緒に過ごします。免疫力を母乳からなるべくもらうためです。その後、広めの小屋で45日まで過ごし、小さめのパドックに移動。生後3か月ほどで完全に放牧します。それから、生後7、8か月で出荷となります。ある程度大きくないと野犬やカラスに狙われてしまう為です。
特徴
放牧の為、肉に臭みはありません。
ゆったり運動し、休み、しっかり食べて育つので肉質は柔らかすぎず、固すぎず、旨味が多くなります。飼料は基本的なものがあり、食料残渣を使う訳ではないので年間を通して肉の味は安定しています。ただ、放牧の為、常に外気に触れており、脂のノリは冬場が多めになります。
抗生剤、ホルモン剤など
基本的に抗生剤、ホルモン剤等は使用しません。風邪を引いても様子を見て、自己免疫で治してもらいます。ただ、人が管理している以上、死なせたくはないのでどうしても死にそうだと判断した際は、獣医師に治療をお願いします。その際は出荷までに定められた薬の休薬期間の2倍の期間を置いて出荷します。
豚の免疫力向上の為に
放牧によるストレス軽減はもちろん、日光浴によるビタミンD増加、放牧場に赤土やミネラルに富んだ山の土を入れます。飼料に炭を混ぜるのも消臭効果もありますが、腸内の環境を整えやすくする為です。
放牧場について
やまあい村で30カ所の放牧場を設定しており、畑、クヌギ山、栗山、竹林等があります。夏場は日陰の多いところ、冬場は陽向の多いところで飼います。通常の豚の飼い方の1頭辺りの面積を約80倍にして設定。10アールに15頭ずつ放牧し、それを常時10カ所使用しています。出荷が終わった放牧場は耕耘して牧草やじゃがいもを植えて畑にしたり、暫く休ませたりします。そうすることで、放牧場の菌や環境のバランスを整え、病気や寄生虫の発生を抑えます。